【第11章】
ハーマイオニーの救いの手
Hermione's Helping Hand
その一

 ハリー達6年生は自由時間は有るものの、おびただしい量の宿題と授業そのものが難しくなったお陰でゆっくり過ごす時間はほとんどありません。
 ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人も宿題と無言呪文の練習に追われてハグリッドを訪ねる時間をなかなか見つけることが出来ませんでした。ハグリッドは
3人が自分の授業を取っていないことに気付き、廊下やグラウンドですれ違っても3人に気付かないふりをして行ってしまいます。
 ちゃんと話をしなくては!と言うことで土曜日にクイディッチの選手選考会が終わってから訪ねることにします。
 グリフィンドールのクイディッチチームの選手募集には予想以上の応募があったようです。ハリーが驚いているとハーマイオニーはそれはハリーに好感を持つ人が増えたからだと言います。みんな今ではハリーが嘘つきなんかではない事を認めていて、ヴォルテモートが本当に復活し、この2年でハリーは2度も彼と直接戦って生き残っている。みんながハリーを‘選ばれし者’と呼び男性として人気が出てきたと言うのです。
土曜日の朝、郵便ふくろうが到着します。ハリーは今年学校が始まって初めてヘドウィックから包みを受け取ります。それはフローリッシュ・アンド・ブロッツから届いた新しい魔法薬学の教科書でした。
 これであの落書きだらけの教科書を返せるわね、と喜ぶハーマイオニーを尻目にハリーは新しい本とプリンスの本の表紙だけを入れ替えて、一見古そうに見える新しい教科書をスラグホーンに返します。
 ハーマイオニーには日刊預言者新聞が届けられます。新聞によると、ナイトバスのコンダクターのスタン・シュンパイクが死喰人の容疑で逮捕されたそうです。
どうやら彼はパブで知ったかぶりをして死喰人がどうのこうのと話していたのを聞かれて死喰人だと間違われ、捕まってしまったようです。魔法省は少しでも疑わしい魔法使いは自分達がちゃんと働いていることを証明するために、どんどん逮捕していってるようです。