【第11章】
ハーマイオニーの救いの手
Hermione's Helping Hand
その二

 ホグワーツでも子供の安全を心配する親達が子供を家に連れて帰ろうと迎えに来ていて、既に何人かは連れて帰られたようです。パチルの双子も両親が迎えに来ましたが、彼女たちは何とか連れて帰られずに残ることが出来たようです。ハンナ・アボットは母親が殺されてしまったそうで、それ以来学校には来ていません。相変わらず世間では物騒な事件が続いている様です。
 唯一、ダンブルドアに守られて安全だとされるホグワーツでも、ダンブルドアはいつもどこかに出かけていて留守にしています。彼も何かの仕事に追われている様です。

 その後3人はクィディッチの選手選考会のためグラウンドに向かいます。
 その途中、ラベンダー・ブラウンがロンに笑いかけ、ロンも嬉しそうに笑い返したのを見て、ハーマイオニーが不機嫌になります。彼女はロンに激励の言葉も掛けずに観客席へと行ってしまいました。
 クィディッチ選手選考会、ハリーのキャプテンとしての初仕事です。
 とにかく応募してきた人数が多いので、ハリーは10人ずつのチームに分けそれぞれ見ていきます。
 最初の10人はみんな1年生で、箒に乗ることさえ出来ませんでした。
 次の10人は女の子ばかりで、みんなハリーが動く度に黄色い声ではしゃぐだけでした。
 次の10人は飛んではみたものの、お互い衝突ばかりしていましたし、次の10人はみんな箒を持たずに来ていました。そしてその次の10人はみんなハッフルパフ生でした。
 2時間後ハリーは何とか3人のチェイサーを決めました。去年もチームにいたケイティ・ベルと、新人のデメルザ・ロビン、それにジニーです。
 その後同じような選考を繰り返して、ようやくビーターも決まります。
フレッドとジョージ程の素晴らしい選手ではなかったようですが、ジミー・ピークスと、コントロールのいいリッチー・クートでした。

 そしていよいよキーパーの選考が始まります。
 最初の5人は5ゴール中2ゴールしか止められませんでしたが、コーマック・マックラガンは4ゴールを止めます。最後のゴールでは完全に逆方向に飛んで入れられてしまい、みんなに笑われていました。
 そしてロン。ロンはなんと5ゴール全てを止めたのです。これでキーパーはロンに決定!
 マックラガンはハリーのところに、シュート役のジニーがロンのときだけ本気でシュートしていなかったからもう一度やらせてくれ、と文句を言いに来ますがもちろんハリーは拒否します。

 選考会の終わった3人はハグリッドの小屋へと向かいます。
 道中、ロンはずっとハリーとハーマイオニーに自分が止めたゴールの話を興奮気味に語ります。
「マックラガンの奴、最後のゴールではまるで混乱呪文に掛かってるみたいに全く逆方向に飛んでさ〜」と言うロンの言葉にハーマイオニーの顔が真っ赤になります。
 ロンは自分の武勇伝を話すのに夢中で気付いてはいませんでしたが・・・