【第11章】
ハーマイオニーの救いの手
Hermione's Helping Hand
その三

 ハグリッドの小屋の前にはバックビークが繋がれています。3人がバックビークに挨拶していると、ハグリッドがジャガイモの入ったかごを持って歩いてきます。
 ハグリッドはそのまま一人で小屋の中へ入り入り口を閉めてしまいました。
ドアを開けてくれないなら爆破する、と言うハリーの言葉でハグリッドは仕方無くドアを開けます。
 「何のようだ?謝りにでも来たか?俺が寂しがってるとでも思ったのか?」と言うハグリッドに3人は「ただ会いたかったから来た。」と言います。
ハグリッドは何かぶつぶつ言いながらも3人を中に入れ、お茶とロックケーキを出してくれます。
 「時間割に入れたくても入れられなかったの・・・」とハーマイオニーが必死で説明していると、小屋の隅に置いてある大きな樽の中から何かバシャバシャボコボコと変な音が聞こえてきます。その樽の中には足の長い蛆虫のような虫がいっぱい入っていました。
 「あれ成長したら何になるの?」と聞くロンにハグリッドは「ただの虫だから成長しても何にもならん。アラコグのエサにと取ってきた・・・」と言って突然泣き出します。
 アラコグは病気で弱っていて、夏の間中看病していたが良くならないそうです。あいつが死んだら俺どうしたら〜と言って泣きじゃくるハグリッドにハーマイオニーは優しい言葉を掛け励まします。
 その言葉のお陰でハグリッドの機嫌は少し良くなります。タイムターナーの話も出ますが、去年魔法省で戦ったときに、そこに保管してあったタイムターナーを全部壊してしまって使えなかった、と話すとハグリッドも納得します。
 極め付けに、2〜3度ハグリッドの代わりに教えてくれたグルッブリープランク先生よりハグリッドの方がずっといい先生だ、と言ったお陰で、夕暮れになり3人が城に帰るころにはハグリッドは元気を取り戻し、3人に明るく手を振っていました。
3人が城に戻ると、マックラガンが大広間に入ろうとして壁にぶつかっていました。ハリーはそっとハーマイオニーを引き止め、「君がやったの?」と聞くと彼女は認めます。そこにスラグホーンがやってきてハリーとハーマイオニーを自分の部屋での夕食会に誘います。ハリーはスネイプの罰則があるからと言って断りました。
 3人は談話室に戻って夕刊預言者新聞を見つけます。そこにはウィズリーおじさんのコメントが載っていて、マルフォイ宅を再捜査したが何も見つからなかったと書いてありました。
 そしてその後、スラグホーンの夕食会に誘ってもらえなかったロンは不機嫌になってさっさと寝てしまい、ハリーはスネイプの罰則へと出かけて行きます。罰則は、腐ったレタス喰い虫を素手で取り除く作業でした。