【第十二章】
銀とオパール
Silver and Opals
その二
3本の箒の店の前で3人はマンダンガス・フレッチャーに会います。彼はハリーの顔を見るとそそくさと逃げ出そうとします。その時、持っていたスーツケースを落としてしまい、中のものが地面に散乱します。そしてその中にはブラック家の紋章のついた銀製品が含まれていたのです。
ハリーは激怒。マンダンガスに掴みかかりますが、彼は姿くらましして逃げてしまいます。どうやらマンダンガスはグリモールドプレイスから盗んで来た物を売って商売しようとしているようです。
店に入ってもハリーの怒りは消えません。ハーマイオニーがバタービールを買ってきてくれて、マンダンガスのことはダンブルドアに話してどうにかしてもらおうと言ってその場は落ち着きます。
ハリーとハーマイオニーがマンダンガスのことを話している間、ロンは何かを見てボーーっとしてます。ハーマイオニーに何見てるの?と聞かれると別に、と答えて慌てて視線をそらせました。
ロンは店の経営者のマダム・ロスメルタの曲線美に見とれていたのです。そうと気付いたハーマイオニーの機嫌まで悪くなってしまいます。ゾンコのいたずら専門店は閉まってるし、スラグホーンはロンの存在を無視するし、マンダンガスの盗みを発見してしまうし、ロンは女の人に見とれてるし、外の天気は悪いし・・・ホグズミードにいても楽しくない!!と言うことで3人は学校に戻ることにします。
3人はコートを着てマフラーを締め、外に出ます。厳しい風と雪はさっきよりもひどくなっています。ハリーは凍えそうな雪の中を歩きながらジニーのことを考えていました。‘ディーンとジニーは今頃カップルの集まるマダム・プディフットのカフェで寄り添っているんだろうな・・・’
するとハリーたちの前を歩いていたケイティ・ベルと友人のリーニーの声が聞こえてきます。その声はだんだん大きくなり、何か口論をしているようです。
3人がその2人に近付くと、ケイティは何か小さな箱を持っていて、それをリーニーと奪い合っています。ケイティがリーニーの奪い取ったその箱を奪い返したときに箱が地面に落ちて、中に入っていたものが飛び出してきました。
そしてその瞬間、ケイティは宙に浮かび両手を広げてまるで飛び立とうとでもしているような妙な体勢で浮かんでしまいました。彼女の両目は閉じられ、まるで何も感じていないような表情です。ハリー、ロン、ハーマイオニー、そしてリーニーはただ立ちすくんでその様子を見ていました。
その時突然、6フィート上空でケイティが目を見開き、苦しそうに悲鳴をあげ始めました。4人はとにかく彼女を地面に降ろそうと足を掴みますが、ケイティがもがき苦しむので大変です。何とか地面に降ろしたものの、ケイティは悲鳴をあげて苦しみ続けています。
ハリーは助けを呼びに学校に向かいます。途中でハグリッドに会い、彼を連れて急いでみんなのところへ。ハグリッドはケイティの様子を見て何も言わずに彼女を抱きかかえて急いで学校へと走り去って行きました。
ケイティと一緒にいたリーニーの話によると、ケイティは3本の箒でトイレに行き、戻ってくるとその箱を持っていたそうです。箱を学校に持ち帰って誰かに渡すと言うケイティに、リーニーはそんな訳の分からない物は持って帰らないほうがいいと言って2人は口論になり、箱の奪い合いになったそうです。
ハリーは箱から飛び出して地面に落ちた緑色の物を見ました。それは豪華に飾り付けられたオパールのネックレスでした。