【第十三章】
リドルの秘密
The Secret Riddle
その一
ケイティはその後聖マンゴ病院へと移されます。
その頃ケイティの話は学校中に広まりますが、事件を目撃した4人以外は皆ケイティ自身が狙われたと思っています。
ハリーはいつも‘マルフォイ=死喰人’説を唱えますが、ハーマイオニーとロンはハリーがその話をすると聞こえない振りをすることに決めたようです。
ハリーは手紙を受け取って以来、見掛けることすらないダンブルドアに不安を抱きながらも、個人授業の約束の時間に彼の部屋へと向かいます。
ダンブルドアはちゃんと部屋にいました。いつもより少し疲れているような感じで、手は相変わらず黒く焼け爛れています。そしてまた、ペンシーヴがテーブルの上に置いてありました。
ハリーは先ず、ケイティの具合を訊ねます。彼女はあまり良い状態ではないそうです。ただ、彼女は手袋を着けた手でネックレスに触れたお陰で死なずに済んだそうです。手袋には小さな穴が開いていたそうで、素手で触れていたら間違いなく即死していたらしい・・・
次にマンダンガスのことをダンブルドアに伝えます。彼はハリーに会った後人目を避けて逃げ回っているそうで、もうこれ以上シリウスの物を持ち出すことはないだろう、とダンブルドアは言います。ブラック家伝来の家宝を盗まれたと聞いたフィニアス・ナイジェラス(の肖像画)は急いでグリモールドプレイスの自分の肖像画へと怒りながらて出掛けていきました。
ハリーは‘マルフォイ=死喰人’説についてダンブルドアの考えを聞こうとしますが、授業を始めようと言って話を逸らされてしまいます。
ヴォルテモートを身ごもり、トム・リドルに捨てられたメロウプはロンドンでヴォルテモートを産んだそうです。トム・リドルの去った後メロウプは魔法を一切使わなくなり、お金に困って先祖伝来の家宝のスリザリンのロケットをたった10ガリオンで売ってしまいました。ダンブルドアの推測によると、メロウプはトム・リドルに捨てられ、自分が魔法使いでいるのが嫌になり、魔法を使えば食べる物も着る物も、愛までも手に入れることが出来たはずなのに自分の命を守るためにさえ、杖を振るのを拒否してしまったそうです。
今日旅をする記憶の持ち主はダンブルドアです。2人はペンシーヴに顔を
うずめ、ダンブルドアの記憶の中へと入っていきます。