【第十三章】
リドルの秘密
The Secret Riddle
その二
<アルバス・ダンブルドアの記憶の中>
ハリーが目を開けるとレトロなロンドンの町に、若き日のダンブルドアが立っています。髪とひげは赤褐色で深紫色の派手なビロードのスーツを着ています。後から到着した白髪のダンブルドアとハリーは若いダンブルドアに付いて行きます。
若いダンブルドアはある孤児院に入っていきます。彼はそこの院長のコール夫人に会いに来たようです。
コール夫人の部屋へ通され、若いダンブルドアは「自分はある学校の教師でこの孤児院で育ったトム・リドルを自分の学校に入学させたい」と話を始めます。するとコール夫人は、「ご家族の方は?」とか「何の学校ですか?」とか
「なぜトムを入学させたいのですか?」とか色々質問してきます。説明するのが面倒臭くなった若いダンブルドアは、近くにあった白紙の紙に杖を当ててコール夫人に渡します。そして一瞬にしてコール夫人を納得させてしまいました。
そしてコール夫人は、それまでそこに無かったジンとグラスを見つけ、若いダンブルドアと共にジンを飲み始めます。ジンを飲むと、途端にコール夫人は饒舌になりトム・リドルについてペラペラと色んなことを話し始めます。
ある大晦日の寒い雪の夜、若い少女がフラフラと孤児院にやって来て、中に入ると1時間もしないうちに赤ちゃんを産み、その1時間後に少女は亡くなったそうです。彼女は死ぬ前に‘赤ちゃんはパパに似て欲しい’ということと‘赤ちゃんはトム・マールヴォロ・リドルと名付けてほしい’とだけ言い残しました。
トムはとても奇妙な子供で、孤児院の他の子供達に恐れられているようです。何の証拠も無いのでトムを叱ることは出来ないそうなのですが、トムが喧嘩した相手の子供のウサギが首を吊って死んでしまったり、トムと一緒に遊びに行った子供の様子がおかしくなったりと、彼の周囲ではいくつも奇妙な事件が起こっているそうです。コール夫人はトムがこの孤児院からいなくなっても悲しむ子供は誰もいません、とまで言いますが、若いダンブルドアはトムが学校に入学しても夏休みはここに帰ってきますよ、と伝えます。
そして若いダンブルドアはトム・リドルに会いに彼の部屋へと移動します。