【第十三章】
リドルの秘密 
The Secret Riddle
その三

 トム・リドルの顔にグラウント家の面影はありませんでした。11歳にしては長身で黒い目のハンサムな青年です。
 トム・リドルは「自分は先生だ」と言う若いダンブルドアを精神病院の先生だと思い、自分を病院に連れて行くためにここに来たのだと勘違いして反抗的な態度に出ます。
 そして自分は魔法使いだと告げられます。一瞬の沈黙の後トムは「俺は手を触れずに何でも動かせるし、何の訓練もしなくても動物を自分の思い通りに操ることも出来る。自分の嫌いな奴には悪いことが起きるように出来たし、望むだけで相手を傷つけることさえ出来た。俺は自分が特別だと思っていた。いつも何かあると思っていたんだ。」と話します。自分が魔法使いだと知ったトムは顔つきが変わり、嬉しそうではあったがなんとなく彼の美しかった顔のパーツが崩れ、獣のような人相になったとハリーは感じます。そしてトムはダンブルドアに魔法を見せてくれと命令口調で言います。
 ダンブルドアは杖を振り、トムの洋服ダンスに火を付けます。炎が消えると洋服ダンスは傷ひとつ付かないで以前のままの状態で残っていました。
 そして洋服ダンスの中から何か音がします。トムはたんすの中から、まるでネズミでも入っているかのようにガサガサ音のする小さな箱を取り出します。
ふたを開けると中に入っていたのは、トムが友達から取り上げたヨーヨーやハーモニカでした。ダンブルドアはそれらを元の持ち主に返すように命じ、ホグワーツでは盗みは許されないと話します。そして魔法省が存在し、遺法に魔法を使うと厳しく罰せられるとトムに忠告します。
 ダンブルドアはトムに、ダイアゴン横丁に一緒に行って学用品を買い揃えようと提案しますが、トムは一人で行くと言って買い物リストをダンブルドアから受け取ります。ダイアゴン横丁への道をダンブルドアから詳しく聞き、漏れ鍋に同じ名前のトムと言うバーテンがいることを聞くと、とても嫌な顔をします。トムと言う名前が嫌いか?と聞くダンブルドアに彼はありふれてるから・・・と答えます。
 ダンブルドアは学用品の買い物リストと一緒に、ホグワーツ特急のチケットもトムに渡します。
 最後にトムは、蛇と話が出来るのも魔法使いなら当たり前なのかと訊ね、ダンブルドアは当たり前ではないがそう魔法使いがいると聞いたことはあると答えます。
 トムとダンブルドアは握手をして、「ホグワーツで会おう」と若いダンブルドアは言ってドアの方へと向かいます。