【第十四章】
フェリックス・フェリシス
Fwlix Felicis
その一

 翌日、朝の1限目は薬草学でした。ハリーは温室へと向かう道でロンとハーマイオニーに昨夜の個人授業の内容を話します。
 ロンは、ヴォルテモートの過去を知って何のためになるんだろう、と言いますがハーマイオニーは、彼がどんな人物でどういう性格なのか詳しく知ることは彼の弱点を見つけるためには大切なことだ、と話します。
薬草学の授業中、3人は怪しい植物と奮闘しながらスラグホーンの話になります。(この怪しい植物との奮闘のシーンは面白くて結構好きです。
全文訳しないと面白さが伝わらないので、日本語版の発売をお待ちください。)ハーマイオニーによると、スラグホーンはクリスマスパーティーを開くつもりだそうです。今までハリーに招待を全て断られているため、今回はハーマイオニーにハリーの都合の良い日を調べてくるように頼んだらしく、ハリーも絶対出席しないといけないようです。
 ロンは自分のことを無視し続けるスラグホーンが嫌いで、パーティーの話をしていると機嫌が悪くなってしまい、ハーマイオニーに、「マックラガンと付き合えばいいだろ!」と言ってしまいます。するとハーマイオニーは「パーティーにはあなたを誘おうと思ってたのよ!」と怒って言い返します。
 ハーマイオニーがパーティーに自分を誘うつもりだと知ったロンは、その後機嫌が良くなります。
 ハリーは2人の話を真ん中で聞いていて、いつかこうなる日は来るだろうとは考えていたようですが、ロンとハーマイオニーが付き合ったら自分はどうしたらいいんだろう・・と考えます。2人がビルとフラーのようにラブラブになったら自分は邪魔者になるんだろうか?そしてもし、2人が付き合って分かれることになってしまったら・・また3人で友達同士に戻ることが出来るのだろうか?
そんなことを考えながら薬草学の授業は終わります。

 ハリーにはロンとハーマイオニーの関係よりも、今はもっと心配すべきことがありました。クィディッチのメンバーのことです。
 ケイティはまだ入院していて退院のめどは立っていません。ハリーはケイティが戻ってくることを期待して、まだ彼女の代替を決めていませんでした。しかし間近に迫ったスリザリンとの試合にはケイティは間に合いそうにありません。
ハリーにもう一度選考会をする気力はなく、ある日ディーン・トーマスに声を掛けます。ディーンは喜んでケイティの代替を引き受けます。自分のクラスからロンとディーンの2人も選手を選出したことに対する不平がグリフィンドール生から多数出たため、ハリーには何とかスリザリンに勝って自分の人選が正しかったと証明しなければならないと言うプレッシャーが重く圧し掛かってきます。
 その夜、ディーンも加えて練習をしてハリーは少し安心します。ディーンは結構上手かったし、残りのメンバーも練習を重ねるごとに上達しています。
 ただひとつの問題はロンでした。彼は、調子のいいときは信じられないほど素晴らしいプレーをしますが、一度失敗するとパニックに陥りめちゃくちゃになってしまうのです。とにかく、スリザリンとの試合でロンが緊張しすぎないことを祈るしかありません。