【第十六章】
凍りつくようなクリスマス
A Very Frosty Christmas
その一
ハリーとロンは隠れ穴の台所で山積みされた芽キャベツの皮をナイフで剥いてウィーズリーおばさんのお手伝いをしています。スネイプとマルフォイの話を立ち聞きした翌朝、学校は冬休みに入り2人で隠れ穴に帰ってきたのです。ハリーはその時聞いた話をロンに話します。
スネイプとマルフォイの母親のナルシッサが‘破られざる誓い'をしたようだと話すと、ロンはとても驚きます。ロンは5歳のときにその誓いをフレッドとしようとして、ウィーズリーおじさんに信じられないほど怒られたことがあるそうで、おじさんがあんなに怒ったのはあの時だけだったと話します。
誓いを破ったらどうなるの?と聞くハリーにロンは一言「死ぬ」と答えます。
そこにフレッドとジョージが台所に入ってきます。2人はロンとラベンダーのことをからかい、怒ったロンはナイフを投げつけますが、フレッドは軽く杖を振ってナイフを紙飛行機に変えてしまいます。魔法使いの法律では17歳になったらどこでも魔法が使えるようになるそうですが、ハリーとロンはまだ16歳なので、地道にナイフで芽キャベツの皮を剥くしかありません。
フレッドとジョージにちょっと杖を振ってこのキャベツを剥いてしまってよと頼むロンにフレッドは「それは人格形成においてとても大事なことで、魔法の使えないマグルやスクイブの気持ちを理解しなさい。それに人に物を頼むときはナイフなんて投げつたリしてはいけないぞ。」と真剣な顔で言ってさっさと遊びに行ってしまいました。
ロンはスネイプとマルフォイの話の内容を聞いて、スネイプはマルフォイが何を企んでいるのか聞き出すために彼に協力する振りをしたんじゃないか、と言います。ハリーもそれが一般的な考えだし、みんなにそう言われると思っていました。でもスネイプの様子はどう考えても演技には思えなかったし、やはりハリーはスネイプを信用したくなかったのです。
ハリーはウィーズリーおじさんにもスネイプの話を伝えたかったのですが、
おじさんは毎晩遅くまで魔法省で仕事をしていてなかなか話す時間がありませんでした。
クリスマスイヴ、隠れ穴のリビングも華やかに飾り付けられ、ウィーズリー一家、ハリー、フラー、ルーピンが集まります。クリスマスツリーのてっぺんには本物のノームが麻痺呪文を掛けられ、金色にペイントされ小さなドレスと羽根を身に付けられて飾られています。そのノームはハゲ頭で毛むくじゃらでハリーは世界で一番醜い天使だと笑っています。(子泣き爺がドレスを着てる姿を想像して笑ってしまいました)
夕食の後みんなくつろぎタイムへ。そこでハリーはやっとおじさんと話すことが出来ました。しかしおじさんもスネイプのことを信用すると言います。
それに横で聞き耳を立てて話を聞いていたルーピンもダンブルドアを信用しているからスネイプのことを信用すると言います。
それにルーピンはホグワーツで闇の魔術の防衛術を教えていた1年間、スネイプが調合してくれた薬を飲み続けていたお陰で変身せずにいられたと言います。
ダンブルドアの目が近くにあったから仕方なく薬を作ってたんだ、と断固としてスネイプを信用しないハリーにルーピンは、父親のジェームスと名付け親のシリウスのスネイプに対する偏見の意思をハリーも受け継いでいるようだなと話します。