【第十六章】
凍りつくようなクリスマス
A Very Frosty Christmas
その三

ハリーはスクリムジャーと2人で外に出ます。スクリムジャーは随分前からハリーと話がしたかったが、ダンブルドアにさせてもらえなかったと言います。
 スクリムジャーは回りくどい言い方をして、本当は何を話しに来たのかなかなか核心に触れませんでしたが、ハリーは辛抱強く彼が本心を表すまで黙って彼の話を聞きます。
 結局スクリムジャーは、ハリーに魔法省と共に何かをしている振りをして欲しいと頼みに来たようです。人々は皆ハリーを‘選ばれし者’だと噂し英雄扱いしている。その英雄が魔法省の味方だと人々に思わせることが出来たら、今の不安な世の中を少しでも安心させることが出来る、と考えていたのです。
 もちろんハリーは断りますが、スクリムジャーは魔法省に協力するのは義務だ!と言います。また、魔法省に協力すれば闇払いになるのにも協力出来る、とも言います。
 ハリーは「あなた達はバーティ・クラウチのやったことをまた繰り返そうとしている。ファッジは目と鼻の先で殺人が起きていても何も無かったような顔をしていたし、あなたは誤認逮捕した人をアズガバンに送ろうとしたり、‘選ばれし者’を味方に付けた振りをしようとしている。魔法省には正しい判断を出来る人はいないんですか?!」って言い返します。
 スクリムジャーはハリーを味方にするのを諦めたようで、ダンブルドアはいつもどこに行ってるのか聞いてきます。ハリーは知らないし、知っていても話しません、と答えます。「君は完全にダンブルドアの味方なんだな?」と言うスクリムジャーに「はい、そうです。」と毅然とした態度で答え、ハリーは彼に背を向けて家の方へと戻って行きました。