【第十七章】
スラグ的記憶
A Sluggish Memory
その一
ハリー、ロン、ジニーがホグワーツに戻る日になりました。魔法省は生徒が安全に学校に戻れるよう、フルーネットワークを1度だけ使えるように特別手配をしていました。見送りにきたのはウィーズリーおばさんだけで、後のみんなは仕事に行ってしまいました。おばさんはパーシーの訪問以来泣きっぱなしのようで、この日も泣いていました。(パーシーはあの日フレッド、ジョージ、ジニーにマッシュドパースニップを投げつけられ怒って帰って行ったそうです)
おばさんはハリーが暖炉に入ると「危険なことはしないで自分の身を守って」と涙を流しながら話します。ハリーが‘ホグワーツ!’と叫びフルーパウダーを投げると、到着したのはマクゴナル先生の部屋の暖炉でした。その後すぐに到着したロンとジニーと一緒にグリフィンドール寮に向かっていると、ハーマイオニーに出会います。ハーマイオニーはダンブルドアからハリーへの手紙を預かってきていました。そこには次の個人授業は明日の夜に、と書かれていました。
ハリーはハーマイオニーに話したいことがたくさんあったので、談話室に入り空いている椅子を探します。するとラベンダーがロンに抱きついてきます。ラベンダーはロンのことを‘ウォンウォン’と呼び、ロンにいちゃついてきます。
ジニーもディ−ンに会いに行くと言って立ち去り、ハリーはハーマイオニーと2人で空いてる椅子に座ります。
まずハリーはスネイプとマルフォイの会話を彼女に話します。やはりハーマイオニーもハリーの考えには賛同せず、スネイプはマルフォイに協力する振りをして何を企んでいるのか聞き出そうとしているのでは、と言います。
次にルーピンの話になり、彼の背負った困難な任務をハーマイオニーに伝えます。そしてグレイバックの話になると彼女は何かを思い出しました。
ノクターン横丁でマルフォイの後をつけてボーギンアンドバークスで盗み聞きした時、マルフォイはグレイバックの名を出してボーギンを脅していたのです。ハリーもすっかりその事を忘れていました。ヴォルテモートの手下になっているグレイバックのことを、マルフォイは自分の味方だと言っていた。これでマルフォイが死喰人だと証明された、と言うハリーにハーマイオニーはまだ煮え切らない返事をします。