【第十七章】
スラグ的記憶
A Sluggish Memory
その四
そしてダンブルドアはもう一つの記憶の小瓶をポケットから出します。ダンブルドアはこの記憶が彼の集めた記憶の中で最も重要なものだと言います。
記憶の中に入るとそこには若き日のスラグホーンが数人の生徒に囲まれて座っています。その生徒の中にトム・リドルも含まれていました。
彼はマールボロの金の指輪を付けています。ということは、もう自分の父親と祖父母を殺した後ということです。
どうやらこれは昔のスラグ・クラブの集まりのようです。
少し話をした後、机の上の時計が夜の11時を指しているのを見たスラグホーンがみんなに部屋に帰るように言います。(この時スラグホーンが呼んだ生徒の中にレストランジェとアヴェリィが含まれていました。)
みんなが部屋を出て行くと、トム・リドルだけが部屋に残りスラグホーンに話しかけます。
「先生、あなたはホークルクスについて何かご存知ですか?」トム・リドルがそう言うと、部屋は濃い霧に包まれハリーは何も見えなくなります。ただその霧の中から「何も知らん、知ってても話さん!今すぐ出て行きなさい」と言うスラグホーンの声だけが聞こえます。
そしてハリーはダンブルドアの部屋に戻ってきます。ハリーにはこの記憶のどの部分が最も重要なのかさっぱり分かりません。
するとダンブルドアは、あの霧で覆われて見えなかった部分は、スラグホーンが誰にも知られたくないために自ら記憶に手を加え消してしまっている、と話します。
スラグホーンは優秀な魔法使いなので、開心術も真実薬も効果が無く、無理やり彼からその記憶を剥ぎ取ろうとすると本当の記憶も傷つけてしまう可能性があるため、ダンブルドアの力ではその記憶を手に入れることが出来ない、と言います。そしてその消し去られた記憶こそが、最も手に入れたい重要なものだと話します。
そして個人授業で初めてハリーに宿題が課され、その記憶を何とかして手に入れるようダンブルドアに言われて、今回の個人授業は終了します。
ハリーはスラグホーンの記憶を手に入れることが出来るのでしょうか・・・?
第17章終わり]