【第22章】
埋葬の後で
After The Burial
その2
夕食後、いよいよフェリックス・フェリシスを飲んでスラグホーンに会いに行くことになります。ハリーは全部飲んでしまうのはもったいないので2〜3時間効力が持続する分だけ飲むことにします。そして全部飲んでしまわないように気を付けながら一口飲みます。
するととてつもなく心地の良い爽快感が体中に広がり、まるで自分は何でも出来るような気持ちになり、スラグホーンの記憶を手に入れることなんてとても簡単な事のような気がしてきます。
そしてゆっくり立ち上がるとハリーは、心配そうに様子を見ていたロンとハーマイオニーに「ハグリッドのところに行ってくる」と言います。
ロンとハーマイオニーは呆然となります。間違えて違う薬を飲んでしまったのかと心配しますが、ハリーは「ハグリッドに会いに行くといいことがあるって感じるんだ」と言って透明マントをかぶって談話室に降りていきます。
ハリーが男子寮のドアを開けて談話室に出ると、ラベンダーがハリーの後ろにいたロンとハーマイオニーを見て「2人切りで男子寮で何をしてたの?!」と攻め寄ってきます。透明マントに隠れていたハリーは見えなかったのでラベンダーにはロンとハーマイオニーが2人で出てきたように見えたのです。
ハリーはもめている3人を残して、肖像画へ向かいます。するとそこにジニーとディーンが穴を開けて入ってきたので、ハリーは簡単に廊下に出ることが出来ました。しかも穴をくぐる時、ハリーはジニーにぶつかってしまい、ジニーはディーンがぶつかってきたと勘違いして、2人は喧嘩を始めてしまいます。
ハリーの多幸症はますます増加し、廊下を堂々と歩いていても誰にも会わず、正面ドアの鍵はフィルチが掛け忘れていてくれました。
外に出るとハリーは、そのままハグリッドの小屋に行くより、野菜畑を通って遠回りしたほうがいいような気がして、野菜畑に向かいます。
野菜畑来ると、スラグホーンがスプラウト先生と話しているのを見つけます。スラグホーンはスプラウト先生から授業に使う植物を受け取り、スプラウト先生は温室へ、スラグホーンはハリーのいる方へと歩いてきます。
ハリーはスラグホーンに自分の姿を見て欲しくてたまらなくなり、透明マントを脱いで彼の目の前に立ちます。
スラグホーンは突然現れたハリーに驚き、なぜこんな時間に外にいるのか聞いてきます。ハリーはここは本当のことを言うべきだ、という気がしてアラコグが死んだのでハグリッドの所に行って今から埋葬する、とスラグホーンに話します。
するとスラグホーンは、巨大蜘蛛の毒液はとても貴重なもので、生きている蜘蛛からは絶対に採取できない・・とぶつぶつ言います。ハリーが、一緒に埋葬に行きますか?と誘うと喜んで行くと言います。
スラグホーンはネクタイを地味なものに着替えて、飲み物も少し取ってくると言って一旦城に戻ります。ハリーは一足先にハグリッドの小屋へ。