【第22章】
埋葬の後で
After The Burial
その3

 ハグリッドは目を真っ赤にして泣きはらしていました。埋葬は、森ではなく小屋の裏でするそうです。アラコグが死んだ後、アラコグの子供達はハグリッドを食べようとしたそうです。子供達はただアラコグの命令でハグリッドを食べることを我慢していたそうで、そのアラコグが死んでしまったためみんなハグリッドを食べようとし始めてしまったそうです。森の中で自分が足を踏み入れられない場所が出来るなんて初めてだ、と言ってハグリッドの悲しみはそのことでさらに増したようです。
 ハリーが、スラグホーンも埋葬に参列して別れを惜しみたいと言っていたとハグリッドに伝えると、彼は驚きますが喜びます。
 そして間もなくスラグホーンが到着して3人は裏庭に横たわっているアラコグのところに行きます。スラグホーンはお悔やみの言葉を言いながら持ってきた空瓶をこそこそ持ち出し、アラコグの頭の下にもぐります。どうやらうまいことハグリッドに気付かれずに毒液を取り出したようです。
 3人はアラコグの体を土に埋めます。1人ではなく3人でアラコグを埋葬できて満足するハグリッドと、毒液を採取できて満足するスラグホーン。その後小屋に戻り、別れの杯を交わします。
 スラグホーンはハグリッドの小屋に置かれていたユニコーンの毛にも貴重な物だと言って興味を示します。ハグリッドは、スラグホーンがアラコグや森の中の生物に興味を持ってくれた事で機嫌が良くなり、スラグホーンも貴重な物が手に入ったことで機嫌が良くなり、2人はどんどんワインを飲み続けます。そしてハグリッドは先に酔いつぶれて眠ってしまいました。
 ハリーはスラグホーンにどんどんワインを注ぎ、2人はリリーの話しになります。
ハリーは自分の母親がどうやって死んだのかを詳しく話します。スラグホーンはあまりの恐ろしさに途中で、もういい!と言って遮ります。彼女のことを気に入っていたので耐えられなかったのです。
 ハリーは記憶を渡してくれるように切り出します。「僕の母さんのような勇気を持ってください」と言ったハリーの一言でスラグホーンはついに杖を取り出し、小さな瓶に銀色に輝く記憶を詰めてハリーに差し出します。
 そして「その記憶を見ても、私を悪く思わないでくれ」と言って、彼も眠りに落ちていきました。